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年に一度の更新のはずだったのですが、月に一回備忘録として書いていこうと思います。
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Artist: AIR
Title: Love 2
Label:
EMI
Genre: Electronic(Lounge,pop,rock)
Released: 06-08-2009

 

淫靡!妖美!子供のような無邪気さしか読み取れない人は、頭ン中をピンク色に染めて聞いてみるといい!コーヒーの中に混ざるクリープみたいに色は濁っていく。不協和音とともに、男女の汗の臭いとともに、煙草の煙とともに。一見チープだ。この音たちは、だが、ただ単に鳴らされているだけではない。綿密ではないが、そう、胸底を深く抉るまぁるいスプーンみたいな音だ。ジャムとセックスと死。夢で見る生暖かい世界が、ここには広がっている。

 

AIR(エール)はNicolas GodinJean-Benoit Dunckelの二人組。1998年に”Moon Safari”でデビューし、2枚目のアルバムがソフィア・コッポラの初監督作品”The Virgin Suicides”のサウンドトラックとなり、臭い立つフランスの空気を感じさせる音楽で圧倒した。今回のアルバムでは、磨きをかけた退廃感、腐りかけた甘い甘い林檎のような音を作り上げ、だけどどこか薄暗く陰鬱なイメージすら思い起こさせる、彼らにしか作れない世界を見せてくれている。

 

幕をあける。エールお得意のエレクトロニック。フェードインする歪ませたギターとドラム。飛び込んでくるのはメインメロディを苦しそうな音で奏でるキーボード。ピッチベンドで不安定に揺れる音に蜜の味を感じて早くも舌なめずりを始めると、やわらかくアタックするピアノが裏に刻む。何よりも美しくいやらしいのは、ニヒルに動くベース音。鐘を鳴らすハミングと、不協和し続けるパッド音に世界が神々しくもどこか遣る瀬無い光に包まれると急に終わりを告げる”Do The Joy”。このアルバム”Love 2”は、この曲から始まる。何よりも気持ちよく人を酔わす音は、まごうことなき彼らのエッセンスだ。

ゲンスプールは死んだ。死してなお、愛され続ける彼の曲はもちろんのこと、フランスには彼らがいる限り、愛の音は聞こえ続けるだろう。エール。孤高のエロティスト。激情をクールな表面で何遍もコーティングし、夢と愛と退廃を瀟洒に見せ続けてください。

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